プルーフポイントは本日、コミュニケーションインテリジェンス機能における2つの拡張を発表します。Proofpoint Prism Investigator が Microsoft 365 に直接接続できるようになり、Proofpoint Human Communications Intelligence (HCI) は AI コミュニケーションガバナンスのシグナルをインサイダーリスク調査に取り込めるようになりました。この2つにより、セキュリティ、コンプライアンス、法務の各チームは、最初にフラグが立てられたアラートから最終的な調査結果に至るまで、同一の調査の中で人間と AI の活動をより包括的に把握できるようになります。
インサイダーリスクはもはや人間だけの問題ではない
従業員が AI を使ってコミュニケーションを取り、コンテンツを作成し、意思決定を行い、業務を遂行するケースが増えるなかで、組織は AI とのやり取りを取得し、業務記録として保存し、規制・コンプライアンス上のリスクの観点から監視する必要があります。しかもそれは、他の規制対象コミュニケーションと同等の証拠能力(ディフェンシビリティ)をもって行われなければなりません。Gartner® によれば「2026 年までに、80% を超える企業が生成 AI (GenAI) のアプリケーションプログラミングインターフェース (API) やモデルを利用する、あるいは GenAI を活用したアプリケーションを本番環境に展開するようになり、これは 2023 年の 5% 未満から増加する」とされています。* 生成 AI、Copilot、AI エージェントは、いまや人々が仕事を進めるうえでの一部となっており、その変化によって AI リスクが実際に存在する場所は広がっています。すなわち、誰かが入力するプロンプト、そのプロンプトに添付されるファイル、返ってくるレスポンス、そしてエージェントがその人に代わって実行するアクションです。これらすべてが、調査担当者が考慮しなければならないコミュニケーションの記録の一部になりつつあります。従業員の意図、そしてリスクのある行動の背後にある状況は、人と人との会話だけでなく、AI との会話のなかにますます存在するようになっています。
よくある例を考えてみましょう。ある従業員が顧客との契約書の一部を生成 AI ツールに貼り付けたとします。それ単体では、このアラートは多くを語りません。それが日常的な作業のショートカットだったのか、誰も深く考えずに犯したポリシー違反だったのか、それとももっと深刻な事態の最初の兆候だったのかは分かりません。その答えは、アラートそのものではなく、アラートを取り巻くストーリーのなかにあります。
問題は、ほとんどのチームがいまだにこのような孤立したシグナルをもとに作業しているという点です。アラートは、あるイベントが発生したことを伝えてくれます。しかし、そのイベントがあるパターンに当てはまるのか、それを説明する会話の流れの延長にあるのか、あるいは単独で懸念すべきものとして存在しているのかまでは教えてくれません。プルーフポイントのデジタルコミュニケーションガバナンス担当 SVP 兼ゼネラルマネージャーである Harry Labana は、このギャップをフライトレコーダーになぞらえて説明しています。フライトデータレコーダーは何が起きたかを伝えます。一方、コックピットボイスレコーダーは「なぜ」を読み取れるようにします。なぜなら、意図は人が何をしたかだけでなく、何を話したかのなかに存在するからです。意図を読み取れるようにするのがコミュニケーションであり、それが本日の2つの発表の背景にある考え方です。より大きなメッセージは、アラートだけでは意図を説明できないということです。プルーフポイントは、人間のコミュニケーション、AI の活動、そしてデータのシグナルを1つの証拠能力のあるナラティブ(説明の筋道)にまとめることで、チームが「何が起きたか」から「なぜ起きたか」へと進めるようにします。
Microsoft 365 の内部で使えるようになった Proofpoint Prism Investigator
多くのチームにとって、必要な Microsoft 365 のコンテンツにたどり着くには、それをエクスポートし、ステージングし、そのエクスポートが完了するのを待ってからでなければ調査を実際に開始できませんでした。本日の発表の1つ目として、Proofpoint Prism Investigator はこれをシンプルにします。必要なものを、必要なときに入手できるようにするのです。Proofpoint Prism Investigator は Microsoft 365 に直接接続できるようになり、調査の進行に合わせてメール、Teams のメッセージ、ファイル にアクセスできます。そのコンテンツがあらかじめアーカイブに格納されている必要はありません。
Proofpoint Prism Investigator は、その調査に実際に必要なものを判断し、関連する Microsoft 365 のコンテンツをオンデマンドで取り込みます。そのうえで、調査を実施しているチームがすでに利用できるアーカイブ済みのコミュニケーション、データ、ログ、その他の業務記録と相関付けます。アウトプットは、証拠の寄せ集めではなく、1つの完結したナラティブです。しかもそれがより短時間で構築され、規制対応や法務案件で求められる監査可能性を損なうこともありません。増え続ける調査案件を抱えるチームにとって、これは最初の数日を記録の追跡に費やすか、実際の調査に費やすかの違いを意味します。
AI の活動をインサイダーリスクの全体像に取り込む
本日の発表の2つ目は、Human Communications Intelligence を Proofpoint Insider Threat Management に拡張し、AI コミュニケーションガバナンスのシグナル、すなわち Copilot、生成 AI ツール、AI エージェントとのやり取りを、セキュリティチームやコンプライアンスチームがインサイダーリスクの評価にすでに使用しているコンテキストに追加するというものです。
誰かが AI ツールに入力した内容を取得することで、機微情報や機密データが露出した可能性をそれ単体でも検知できます。しかし、露出が判明しただけでは、次に何をすべきかは分かりません。この違い、つまり孤立したフラグと文書化されたパターンとの違いこそが、コミュニケーションインテリジェンスを一般的な DLP アラートと分かつものです。その人のより広範なコミュニケーションと行動を重ね合わせることで、フラグの立ったプロンプトが答えに変わります。これは日常的な行為なのか、話し合うに値するポリシー違反なのか、それとも意図的な何かを示すパターンなのか、ということです。HCI はコミュニケーションのコンテキストを行動およびデータの活動と組み合わせるため、チームは単一のデータポイントから意図を推測するのではなく、自信をもって判断を下せるようになります。
管理すべきツールが増えるのではなく、1つのインテリジェンスレイヤーとして
これらの機能はいずれもサイロのなかに存在するものではありません。どちらも同じプルーフポイントのプラットフォームの一部であり、データセキュリティ、インサイダーリスク、AI セキュリティにまたがって、組織が人間と AI の活動を一体として理解できるように設計されています。目指しているのは、チームにもう1つダッシュボードを渡すことではありません。Microsoft 365 のなかに、AI とのやり取りのなかに、そしてアーカイブのなかにすでに存在するコンテキストを、調査が必要とするその瞬間に利用できるようにすることです。それによってチームは、ツールを切り替えたり別のエクスポートを待ったりすることなく、フラグの立ったアラートから証拠能力のある答えへと進むことができます。
後付けではなく、組み込みで
AI リスクに対する業界の答えは、これまでのところ、より多くのテレメトリを SOC に流し込み、セキュリティチームがそれを SIEM を流れる他のすべてと相関付ける、というものが大半でした。それは一部の組織にとっては妥当な発想かもしれませんが、相関付けのところで止まってしまいます。AI とのやり取りが他の一連のシグナルと近いタイミングで発生したことはチームに伝えられるかもしれませんが、その背後にあるナラティブを再構築することも、そのやり取りをその人のより広範なコミュニケーションや行動に結び付けることも、そのまま対処に移せる調査結果をチームに手渡すこともできません。
Proofpoint Prism Investigator と HCI は、まさにそのギャップを埋めるために作られています。どちらも、AI とコミュニケーションのコンテキストを、誰か他の人が解釈するために別のシステムへ引き渡すようなことはしません。相関付けは、データセキュリティ、インサイダーリスク、AI セキュリティをすでにカバーしている同じプルーフポイントのプラットフォームの内部で行われます。そのため、チームは意図を推測するために複数のツールからテレメトリをつなぎ合わせる必要がありません。チームは、プルーフポイントがすでに構築したナラティブから出発でき、アーカイブ、AI とのやり取り、Microsoft 365 のコンテンツが最初から1か所にそろっています。
このギャップはすでに大きな規模で表れています。2025 年の業界レポートを引用し、プルーフポイントは、従業員の 68% が ChatGPT のような無料の AI ツールにアクセスするために個人アカウントを使用したことがあり、そのうち 57% がその際に機微データを入力したことがある、と指摘しています。** AI が仕事の進め方のなかでより大きな役割を担うようになるにつれて、AI が関与した意思決定について、単にそれが起きたことを記録するだけでなく、その内容を説明できる組織こそが、見落としを不安に思うことなく調査を迅速に進められるようになるでしょう。
発表の全文はこちらをご覧ください。また、Proofpoint Prism Investigator の Microsoft 365 接続機能、および新しい AI 対応の HCI 機能の提供状況の詳細については、 プルーフポイントの担当者までお問い合わせください。
* Gartner: Gartner Says More Than 80% of Enterprises Will Have Used Generative AI APIs or Deployed Generative AI-Enabled Applications by 2026 — Gartner プレスリリース、2023 年 10 月 11 日。GARTNER は Gartner, Inc. および/またはその関連会社の商標です。
** プルーフポイント(Menlo Security の 2025 年レポートを引用): シャドー AI とは — プルーフポイントの脅威リファレンスページ。68%/57% という数値については Menlo Security の 2025 年レポートを引用しています。
本ブログは英語ブログ「Beyond the Alert: Bringing Context to Insider Risk and AI Investigations」の日本語訳です。英語原文との間で内容に齟齬がある場合には、英語原文が優先します。